一般的に私達が手掛けている高気密の住宅では、換気量
を１時間当たり1／２回、約２００ｍ3が程度と必要最小限に
抑えます。

そこで、ガス調理器を採用した場合には台所換気扇の風量
が３００ｍ3／時以上と大風量となります。

高気密な住宅は、台所換気扇の使用時に隙間からの給
気は望めないため、一時的に室内が負圧になるなどの不
具合が生じやすくなります。

調理時の過大な換気量が全体の換気計画を乱してしまい、
バランスの調整が難しくなってしまいます。

その点、電磁調理器は燃焼空気も、燃焼時のガスや水蒸
気の発生もなく、換気量が少なくてすみ、前述のような問題
を回避できます。

また、台所が火気使用室にならず内装制限を受けないため
垂壁の必要がなく、台所周辺のデザイン性が大幅に自由に
なることも利点といえます。

主流のIHクッキングヒーターは磁石のくっつく鍋を直接温める電磁調理器で、調理台表面の温度が低いう
え安全で焦げ付かず、汚れにくくなっています。

マイナス要素は、未だ解明されていない電磁波による影響に不安が残る点や、落雷などによる故障も意
外と多い点でしょう。

電磁波についてはＰＧ屋さんやガス屋さん側メーカーとの激しいバトルが繰り広げられていますが、私た
ち個人レベルでは意見を言うレベルのものではありません。

また、以前は火力不足の不安もありましたが、今では立上がりも早く、強烈な加熱のためコントロールが
難しいということもあります。

ラジエントヒーター

板状ヒーターを波型に加工したものをセラ
ッミクプレートの下部に埋め込んだ構造。
以前と比べればはるかに立ち上がりも早
く、鍋に併せて発熱部分を調整できるタイ
プもあります。

シーズヒーター

渦巻状のニクロム線を酸化マグネシウ
ムの絶縁体で包み、さらにニッケルの
パイプで保護した衝撃や錆に強い構造
です。ヒーター上面を平らに加工してい
て、鍋底と接触面を広く取り、熱の伝導
性を高めています。